リモートワークジャーニー@東京に参加しました

どうも一発あてられそうにない

社会人としてがんばって一発当てて、50歳で引退して、妻には茶室、親には家をプレゼント、自分は週末気軽に車で温泉やBBQにいける余裕がある生活をしたいなと、タブを開くごとに社会人としての心得が表示される「社会人ブラウザ」の格言を唱えてそれなりに頑張って働いてきましたが、どうも今の時代、一発当てるのはとても難しい事のようです。また、日本の人口は減り続けてるみたいですし「もしかして死ぬまで働き続けなければないのでは?」と思うようになってきました。

また、先日ついに40歳という言い訳ができない肉体の下り坂、1日の徹夜からの回復に1週間かかる体にもなってしまったので、最近はどれだけストレスなく、継続して、安定してなんとか"やっていく"事ばかり考えています。

 

心理的安全」はいろいろいいらしい

そんな考え方に追い風も吹いているようで、下記の記事・書籍にあるようにチームでの仕事の生産性という観点では「心理的安全を得る」→「チームがうまく機能する」→「チームの生産性があがる」→「"やっていける"」という事実もあるようです。

グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ プロジェクト・アリストテレスの全貌 | ITトレンド・セレクト | 現代ビジネス [講談社]

Amazon.co.jp: チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ 電子書籍: エイミー・C・エドモンドソン, 野津智子: Kindleストア 

 

リモートワークがいいらしい

そんなわけで"やっていく"ための手段の1つとして、ここ数年興味を持っているのが「リモートワーク」です。

リモートワークをうまくやると、出勤で起こるいろいろなストレスが低減されて、時間も効率的に使えて"やっていく"ことができるらしい、また、あわやくば「ありの〜ままで〜♪の自分らしい働き方」ができるとの事。 

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」 | ジェイソン・フリード, デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン, 高橋 璃子 | 本 | Amazon.co.jp

マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた | スコット・バークン, 依田卓巳 | 本 | Amazon.co.jp

 

わたしの働く業界(IT)では24時間365日、何か問題があればすぐ対応しなければならず、深夜・外出先でシステム障害が発生すれば実質、リモートしてるという状況でした。そこで、いろいろなノウハウを知りたいなといくつかのセミナー等に出席したり、下記のような「メアド登録するだけで登録できるslackのリモートワークのコミュニティー」等をウォッチしていました。

リモートワーカーが知見交換とか雑談するための Slack Team を作りました - 9mのパソコン日記

 

リモートワークジャーニーの概要

リモートワークから『自分らしい働き方』の実現を考えるフューチャーセッション 〜リモートワークジャーニー@東京 | OUR FUTURES

日本橋にあるサイボウズさんのすばらしい広いオフィス(やっぱり儲かってるってすばらしい!)を土曜日にもかかわらずお貸ししていただき開催されました。

イベントについて、公式サイト上には「働きたい誰もが人生を諦めることなく自分らしく働ける社会」の実現のためにできるアクションを導き出すイベント」とあり、「みんなでこんなにすばらしいリモートワークを推進するために"やっていく"」という趣旨のようでした。

 

まず、実際に既にリモートワークをされているゲストの方々(サイボウズ:コラボレーションエバンジェリスト兼、アクセラス株式会社:代表取締役の佐藤さん、株式会社ラフノート、中山さん、株式会社ダンクソフトの中さん)らからご自身の想いや体験のお話がありました。

また、我々の業界では「納品のない受託開発」や「新しいワークスタイル」を試みていることで有名なソニックガーデンの倉貫さん、先日もリモートワークに関する本もだされたばかりですが、ゲストとしていらしていました。

リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル : 倉貫 義人 : 本 : Amazon.co.jp

 

次に、ここからメンバー全員の参加型になり、参加者自身が「自分らしく働くうえで大切なことは何か?」を考えるというお題がでまして、各々自身の働く上で最も重要なポイントを確認するという作業がはいります。ちなみに、わたしは「自分を偽らなくて良い社会」と書きました。

このあとチームを組んで各々意見をまとめて発表するという流れで、おのおのチームごとのリモートワークをするうえで大切なこと、実際何をすべきかを発表するという形で一旦閉幕し、ご歓談と相成りました。こちらではビールがでました!

※小学生の時のように「グループに入れずに余ったりしないだろうか」「どんな人とグループになるんだろう」という久々のドキドキ感を感じました

 

わたしの大雑把な感想

・リモートワークに興味がある方というとどうしてもIT系の方が多かったが、本イベント色々な業種/職種/性別/年齢の方がいらしており、人口問題などもありITにとどまらない社会全体の潮流であると改めて感じた。

・同じく、普通の方が普通にリモートワークをされる未来についての話しがあり、イベントとして地に足がついた議論がなされていていた。

・いくつかリモートワーク関係のネット上のコミュニティーやリアルでのセミナー等見てきたが、いずれのクラスタもまだ分断されている気がした。これはどうにかできないか。

・リモートワークの議論をしていくと、必ず理想的な働き方の話題になる。リモートワークについて考えることはイコール、理想的な働き方について考えることであると再認識。

・反面、最初の一歩が難しいというのはやはりあり、経営陣の強いお達しや天変地異などがなければ、全社的に継続して取り組むのは敷居が高い状態。

・リモートワーク導入には上記に加え地味な継続的な制度の改善や工夫が必要になる

 

本イベントはファシリテーターの方が、イベントが盛り上がるように事前運営準備を入念にされていて、コミュニティを立ち会げ、続けていくということがなんと大変で情熱のいることかと頭の下がる想いでした。

 

おっさんがTwitterやTumblrのソーシャルの海にどっぷり潜ってみてわかったこと

 

ソーシャルの海にどっぷり浸かってみようとおもったきっかけ

また若くて賢くてかっこいい同僚達に影響をうけた話。

 

曲がりなりにも自分はインターネットすごく詳しいと思っていたんです。

1999年からこの業界どっぷり携わってますし、mixiのIDは300番以内。IPOバブル(横目ですが…)、ケータイバブル、Blogバブル、ソーシャルバブルはもれなく経験。TwitterFaceBookもかなり昔から使ってますし、はてブだってほぼ毎日欠かさずみてるしTechCrunchで海外ネタも追っかけてる。複雑系も本読んだし、勉強会とかセミナーもたまにですが行ってますし、さすがに業界10年にもなるとインターネット界隈のエライ人とかも多少知り合いが増えました。

 

でもよく考えるとただ1つだけしていないことがあったんです。それは不特定多数への情報発信。具体的にはBlogとか(リアルに知ってる友人知人以外との)Twitterとか。

 

理由は大層な書きたいことも言いたいこともない、面倒くさい、自分の文章見る人なんていないでしょ?と。あと自分の場合一番大きかったのは、どっかの誰かに自分の書いたものを評価されるのは正直自信ないなぁと。今思うとだからやってなかったんじゃないかなと思います。

ただ、若い同僚達をみてると顔も知らない人とtwitterで話してるしBlog書いたりじゃないですか。それで新しい人と出会ったり新しい情報を得たり、それが何らかのきっかけになって新しいことが起きてたり。

これはもしかして損してるのでは?

よし、なんとなくインターネットでご飯を食べてきた者の端くれとして、黒歴史になるかもしれんがTwitterの海に潜ってみよう!と決心しました。

 

どうやったか?

実際、いままでもTwitterはこんな感じでポツポツとつかってました

  • 特別なイベントがあった時の情報共有 (ex...旅先で写真とコメントUP、何か美味しいものを食べたとか)
  • 知人への連絡(ex...会社遅れますとか、身内へのメールの代わりのような使い方)
  • 役立つ情報の共有(ex...ニュースの共有とか、街で起きた出来事の共有など)

 

このような使い方から、twitterをかなりやりこんでる同僚を見よう見真似で(これが一般的かどうかはさておき…)下記のように使い方を変えてみました(下記はごく一部)

  • 自分の思っていること、閃いた事をとにかく全て吐き出すイメージで書く(後に黒歴史になる大きな要因…)
  • 良いな、とか何か気になったTweetがあったらFav(お気に入り)をどんどんする。
  • Favを挨拶のかわりに(ex...誰かが"おはよう"というtweetしたらFavをして、見ているという事と挨拶返すという意味で使う)
  • ツイートする回数が多少多くても(twitter慣れしてる方々の間では)意味あるものならばそれほど悪いことではない?
  • @ではなくいわゆる"空中リプライ"というものを覚えた。@だと特定の人にしか返信できないが、@を付けなければ、特定のグループに向けて話すことができる(送り手・受け手のネット上の空気読み力=(コミュ力)が必要)

 

ソーシャルの海は刺激的で広く深かった。けれども…

このような使い方をしてはじめは純粋に楽しかったです。何が楽しかったか今振り返ってみるとこんなかんじです。

  • 現実の世界では自分の考えている事っていうのを、軽いノリでポンポンと口にだすのは性格的にあまりやらなかった事なので、考えを吐き出すことがまず気持ちいいし、反応があるのってほんと気持ちいいなと
  • 現実の世界だと物理的・時間的な制約の問題で、酒の席でもないと自分の話をぜんぶ出しきる(=人の話を全部聞く)シチュエーションってなかなか無いけれど、インターネットだとそれが可能(情報を作成・消費する場所と時間は当人次第)
  • 場所と時間を超えた新しい人達との出会いがあって、意外と身近の人間にしない深い話ができたり。

 

そして以下、詳しくは書きませんが、ソーシャルの海でKYな発言をし、私のことを知っている人達からは「あいつは頭がおかしくなったのか、しゃぶやってるのか?」等といわれたりと多くの失敗をしたのですがその理由

  • ソーシャルメディアだからといって好き勝手していい訳ではなく、気遣いとかコミュ力(=物事伝える力)大事
  • 物理的、心理的な距離を超えられるという事は、それだけ多くの人と情報に触れなければならないという事なので、情報の取捨選択・整理がかなり大変になり気を付けないと脳味噌のキャパシティ不足に。
  • 時間を越えられるので、自分の行いの全てが記録される(≒嘘つくのすごい大変)

 

ソーシャルの海に潜ってわかったこと

大きくはこの当たり前の2つに尽きるのかなとおもいました。

  • インターネットには嘘が多くて危険が多いけれど、ことソーシャルメディアに限っては現実世界と同じ、もしくはそれ以上に信頼が大きな価値を持っているので、思っていたよりは安心

インターネット名言の中に「嘘を嘘と見抜けない人は(ry」というものがありますが、信頼も悪評もすぐに伝播しやすいソーシャルメディアだからこそ、現実世界よりさらに「信頼」に大きな価値が発生しているのは確かだと思いました。また、信頼を作っていくには基本的には長い時間が必要なので、ソーシャルメディアは自分を偽らず真摯に情報を発信し続ける事ができれば(そうしないと長い時間自分を偽るのは相当疲れるし無理)、とても便利でメリットがあるものになるのではと思いました。また、「思っていたより安心」とわざわざ書いたのは、ネットだろうが直接接触しようが、新しい人や情報に接するのはリスクがあるという事を忘れがちなので、自戒を込めて。

 

  • インターネットの特徴である距離(物理的・心理的)と時間の制約がなくなるので、上手く利用すると便利

物理的な距離の制約がなくなる事によって、今まで会えなかったであろう人とソーシャルメディアによるある程度の「信頼」が担保されたうえで話ができるようになり、また心理的な距離がなくなる事によって、今までは話しかけることもできなかった人に話しかけるまではできるようになったので、いずれも工夫次第で可能性が広がるのでは、と思いました。時間についてはメディア(twitterなのかBlogなのかFB,Tumblrなのか等)によって特性が異なりますが、基本的にはログが残るので、時間が合わないという理由での情報の取りこぼしは少なくなると思います。

 

陸に上がっての感想

ソーシャルメディアの海、たしかにたくさんの情報や出会いがありますが、(それがTwitterなのかTumblrなのかFaceBookなのかにもよりますが)もちろん人類全ての人達がそこにいる訳ではなく、今のところまだごく一部の人たちしかいないという感想を持ちました。一旦ソーシャルの海に潜ってしまうと忘れがちですが、感覚としてとても大事だと思います。逆をいえば、この便利さ・すばらしさを享受できているのはまだ一握りの人たちのみ。「なんとかせなあかん」

おそらく立派な黒歴史をいくつか残したのではと思いますが、何事もムリはいけませんので上記に留意したうえで、今後は自分にあわせた使い方をしていこうと思います。

  

ソーシャルの海へどっぷり漬かるのも最初は少し勇気がいりましたが、D.I.Y.=MAKE(#ステマ)の精神という事で。

 

※ソーシャルメディアのなんたるかを教えてくれた若くてかっこいい皆様

hotchemi itopoid kksg

 

 

※その他最近書いたもの

企画素人の受託開発屋が胸を張れる企画を立てるまで

受託開発屋だけど、はじめて胸を張れる自社WEBサービスを作ることができた

 

受託開発屋だけど、はじめて胸を張れる自社WEBサービスを作ることができた[3/2再掲]

どこにでもあるWEBの受託開発会社で働いていますが、今回やっとの思いで受託開発と並行しつつ自分が本当に使ってもらいたいと思える自社WEBサービスをオープンさせるところまで持ってこれました。自社サービスを作りたいとおもってウン年ですが、なぜ今回は作ることができたか記録しておきます。

※2/20追記:「企画素人の受託開発屋が胸を張れる企画を立てるまで」というエントリーを書きました

※3/2再掲

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#リリースに向けて開発しているサイト

 Make::Booth は D.I.Y.er のためのインターネット出展ブースです

 出展者様募集

 

  • WEBサービス作りたい!けれど作れなかった…

今は受託開発の会社にいますがもともと媒体側であったので「インターネットで少しでも世界を変えるんだ!」と大志を持っていたのですが、他の受託開発会社のみなさんと同じく下記の理由で、少なくとも自分が関わったガチ自社WEBサービスは作れずにいました。

 ・確実にお金になる既存受託案件が忙しく、自社サービス開発のリソースなんてない

 ・うちの場合はお客様と直接取引なので、提案もできるし楽しいのである程度満足

 ・アイディアが重要だと思っていた(そのアイディアさえ浮かんでこないけれども!)

 ・(人・物・金)にある程度の投資が必要だとおもってた

 

  • 若いメンバーがはいってきて、会社の空気かわった

そんな悶々とする中、人だけは足りない状態が続いていたので募集をかけたところ「経験は無いけれどもWEBの勉強をしたい」と、最終的に3名のまだ20代前半の方々が来てくれました。

結果的に彼らによって社内の空気が変わって自社サービスができていくのですが、職種もスキルも三者三様で「インターネット好きで好きでしょうがない」ということ以外にあった彼らの共通点(教えられたこと)と、今回自分が心がけたことはこんなかんじです。

 

  • 彼らに共通する、教えてもらったこと

 ・深く考える前にとにかく作ってみる

 ・本当にユーザー視点で考える

 ・失敗を恐れず恥ずかしがらず自分がよいと思ったらやる、そしてソーシャルメディアでどんどん公開する

 ・ダメだと思ったらすぐに直せばいい

 ・既にあって使えるものは積極的に使う

 ・全部一人でやろうとせず、自分が好きなことに専念できるよう工夫する

 

  • 自分が気をつけたこと

 ・企画を作るという事を常に意識する。アイディアは急に思い浮かぶので必ず文書や絵に残してしておく 

 ・志を共有できる少人数(2-3人まで)ではじめる。楽しければ勝手にやるので興味のないことはやるべきでない。

 ・自社サービスにあてる時間と期日を明確に作り、実際に作り始める。結果的に初期段階では一日ほんの数時間でも十分。

 ・企画書は作らない。どうしても"XXXビジネスプラン"というpptを作りたくなるが、紙をつくると時間がかかりスピードが落ちるし、何よりあとで見ない。

 ・企画書は作らないが、コンセプトだけは明確にしておき、明文化しておく。開発中も常にコンセプトの変更もありで考える。これのおかげでコンセプトだけ共有しておけば、あとはそれほど各人が勝手に動いてもブレない。

 ・定例会議をしない

 ・メンバーが何をしているかは基本的にメンバーから報告をまつのではなく、責任者が積極的にヒアリング、共有をする。実際に手を動かしているひとは忙しくて報告共有どころではない。

 ・やりたいことでも自発的にモチベーションを長期間保つのは不可能。プロジェクトへのモチベーションを続かせるよう常に何かあたらしいことがあるように環境を作る努力をする(企画開始当初、自分が忙しくてこれができなかった…)

 ・なるべくメンバーがリラックスして働きやすい環境を作る

 ・なるべくお金を使わない

 ・なるべくシンプルなものしかつくらない

 

  • 最後に

Make:Booth、まだやっとスタートラインにたっただけで始まってもいないですが、自分がインターネットでやりたかったことなので楽しくやりたいとおもいます。

今後の進捗はこちらでご報告していくつもりです

 

こすげさんはたのさんかたさん ありがとう!これからもよろしくおねがいします!

 

※2/20追記

企画素人の受託開発屋が胸を張れる企画を立てるまで」というエントリーを書きました